本近年、地球温暖化などの環境問題が世界的に注目されている。この環境問題の主な要因として、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの温室効果ガス排出量が増加し続けたためである。そして、脱化石燃料化が様々な分野で進んでおり、電力分野においてもこの流れは他分野と同様である。さらに、 震災以降電源の多様性および安全性への配慮が求められているため、再生可能エネルギーへの注目の高まりとともに、メガソ ーラをはじめ太陽光発電導入についても進んできている。しかし、設備稼働率を考慮した場合、比較的日射量が多い地域に おいても我が国では 20〜30%と低いため、太陽光発電のキロワ ット毎の単価が高いという課題がある。
太陽光パネルは,運用上屋外に設置される。このため,パネル表面に汚れや傷の付着,紫外線によるガラスと素子の間に充填される充填剤の劣化,湿気による劣化などにより変換効率が 低下することが知られている。本稿では、太陽光パネルのメンテ ナンスを行う際に、パネル表面に【シリカ系ガラスコーティングPV-10】を実施することでパネル表面 の傷を埋め、汚れを付きにくくする加工を行うことで発電効率の低下を抑えることを提案するとともに、実計測により、その効果を 明らかにすることを目的とする。
太陽光パネルは屋外に設置するため,長期間使用すると太陽光パネル表面に汚れや子傷が付着する.汚れや子傷が蓄積 していくと太陽光が遮られ,入射効率が悪くなり、発電効率が低
下する.本稿では,劣化太陽光パネルとして実際に使用に民家 において使用されていた太陽光パネルを用い、ガラスコーティ ングを施したものと未処理のもの(コーティング時に未加工のも
のも洗浄のみ実施)とを同環境に設置し比較を行う。測定機器 構成を図1に、図2に測定の様子を示す。また、測定に用いた 。
測定結果を図 2 に示す。図2は、測定期間中の同様の天 候かつ近い日時において,日射量順に加工および未加工の 発電出力である。本測定により、劣化太陽光パネルにコー
ティングを施した場合、10%程度の出力上昇が確認できた。
本稿で実施した測定期間は、8月、9月でありパネル表 面温度の上昇等の影響も考えられる。今後は,表面の温度 についても測定を行い,コーティング効果を明確にしたい。
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